福島県 阿武隈高原 川内村のカフェ・ダノニーのブログ。東日本大震災で被災、原発事故により避難中。

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B級グルメ候補にしたい ぽりぽりめん
ぽりぽりめん

店長が避難生活をしているのは、神奈川県の住宅街。
昔ながらの小さな商店街があって、細く長く商売を続けているお店がいくつかあります。
そのひとつが、「ぽりぽりめん」のトーマス食品。

揚げた麺の「ぽりぽりめん」だけでなく、蒸した麺、生麺も売ってる、小売・卸売の製造販売店。
ぽりぽりめんは、家族みんなが好き。そのままスナックとして食べることが多いから、あんかけの素がついていない麺だけのシンプルなものを買ってます。1袋1人前120円(だったかな?)

ここのお店。家族経営の小さい店舗ですが、ずっと続いている。結婚したとき、「へぇ〜、ぽりぽりめんってなんだろう」と思ったもんですが、その前からずっとあるらしい。
お店に入ると、ちりめん細工でできているような女将さんが応対してくれます。「渡る世間は鬼ばかり」の幸楽を上品にしたような雰囲気とでもいったらいいでしょうか。職人歴ウン十年という旦那さんが応対してくれることもあります。

商店街育ちの店長としては、小さい町の小さい商店街って、気になる存在です。
小さい店が代替わりしているのを見ると、つぶれちゃったのかなと心配になるし、大きく店を改装しているのを見れば、いい後継者に恵まれたなぁ〜って、うれしくなります。

商売するなら、儲かる店より、つぶれない店が目標かしら。

土地の信頼を得て、固定客がついて、何十年と続いている。家族がみんなそれで生計を立てている。生計を立てられるくらいの利益があるというだけでも、うらやましい。ダノニーはそこまでいく途中でしたからね。
しかし、こうして長く商売を続けている商店でも、震災や津波、原発事故に襲われたら、どうでしょうか。
失われた資産、つまりは工場の機械類や道具、建物といったものをなくしてしまった状態で復興するには、資金が必要です。もう一度買い直して、もう一度、商売できる状態にしなくてはいけません。

福島県の場合、資産だけでなく、商圏も失われてしまいました。商売を再開しても、お客さんがいません。浜通りは今、人が住めない地域になってしまっています。固定のお客様が多かった地域は、原発の近く。誰も住んでいないのです。ダノニーの場合、安心・安全な川内村の食材を使って商品をつくっていましたから、材料もありません。

商売を復活できないのに、ローンの支払いは続いています。
パート勤務をして借金を返済するしかありません。
まったく、トホホの状態です。


「ずいぶん募金をしました。あなたは既に募金しているお金をもらっているんでしょう?もう、そんなに困らないでしょう?」
避難している地域の方から、声をかけられることがありました。
いままでになく、募金も集まっていると思います。これだけ出しているのだから、被災した人に充分なものが渡っていると、皆さんは信じているようです。

でも、来ていません・・・・
募金からのお金は、たしかにいただきましたが、そんな金額じゃないです。失った家財を買い整えるのにも不足するくらいで、楽になんてなりません。日赤からの電化製品などの支給、避難所への支援、そうしたところに使われているのだと思いますが、失われた日常を避難生活の中で復旧させていくには、本当にたくさんのお金がかかります。

被災した方の中には、ごく一部で、いただいた義捐金や補償金で飲み食いしたり、パチンコなどで使ってしまったという人もいるようです。
「あいつらはダメだ。焼け太りだ。そんな金、やることはない」なんてことにならないか、私はとても心配しています。ダメな人をクローズアップして、誇張した報道がされたら、今でも不足している支援の手が止まってしまう。ほとんどの大多数の人は、苦しい生活で、困っているのですから。

避難した地域で、アパートなどを借りると、「借り上げ住宅」として家賃を補填してもらえるようになっています。しかし、この制度が各県、各市町村で違っています。既に実施されている地域もあれば、まだ制度がスタートしていないところもあります。いずれ補填されるとはなっているものの、スタートするまでは自腹で借りなくてはなりません。(親戚や知人のところに居候させてもらっている人の場合は、そもそもまったく補填はありません)

いままで住んでいた地域に残してきた住宅のローンを払いながら、借家の家賃を払う。失った家財を買い直し、学校に行く子どもがいれば制服やカバンや参考書を買い直します。生計を立てるためには、夫は職場の近くに住み、妻と子どもは別の地域で生活する二重生活。さらに支払いがかさむ。そんな暮らしを想像してみて欲しいと思います。


もう復興してるんでしょ?
ちゃんと生活はじまったんだから、支援なんていらないわね?
がっぽりもらって、喜んでる人もいる。おもしろくない。

そういう声が聞こえてくるようになりました。それも同じ被災者同士の中からです。
同じ地域の中でも、被災の度合いはバラバラです。その人の受けた痛みの違いによって、被災の受け止め方も違うようです。

あれからまだ半年です。
あれほど大好きだったインド料理を、まだ口にできません。インドカレーの店の看板を見るだけで、吐き気とともに涙が出てとまらなくなります。
被災とはそういうものです。




え〜、ぽりぽりめん。

揚げ具合がなんとも香ばしく、そのまま食べるのが楽しく、おいしいんですよ。
「ありがとうございます」と丁寧に応対してくれる女将さん、旦那さんの生活がどこまでも穏やかで、まっとうできるようにと願いをこめて、買っています。わずかな量しか買ってないけど、これでも常連のつもり。
おいしいのですが、なにしろ「揚げ麺」ですから、カロリーが気になります。せっせと歩いてカロリー使って、また買いに行きますよ。
カテゴリ:店長の部屋 | 08:53 | comments(0) | trackbacks(0)
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